矢口です。
O型で大雑把という特徴を地で行く私ですが、実は前職、銀行員で総合職として働いておりました。
「えぇ~、うそ~~!」
「全然、見えな~い!!」
毎回話すたび、学生の皆さん(社員にも・・・)に言われます(笑)
しかしこんな私でも、担保物件の評価額査定や個人のお客様への融資など、投資信託などの金融商品の販売などお仕事をしていたのです。
「銀行に入行したい」という学生に、毎年お会いします。
そんな方の為に、人気企業ランキングでも常連。
でも知られていない銀行員の裏側を、ちょびっとだけご紹介したいと思います。
銀行員の仕事
銀行員のやりがいは何と言っても、お客様にお金の面でお役にたてること。
銀行のお仕事のメインの1つは、一時的にお金が無くても、返済能力のある方であれば融資をすることです。
「奥さんが急遽、帝王切開になっちゃって・・・3日後には必要なんです」(急遽)
「息子の高校入学の為の入学資金のローンを組みたい」(切実)
「車を買うためのマイカーローンを申し込みたい」(夢実現)
など、様々なお客様のご融資の相談にのってきました。
ご融資出来るときは嬉しいですし、それが本当に緊急で切羽詰まった場合であればそれも倍増します。
特に住宅ローンのご融資の場合は、夢のマイホームが建っていくまでの長きにわたりお客様のサポートをしていきますので、お客様のおうちへのこだわりをお話ししてくださったり、そのご家族との関係性も深くなります。
お引き渡し当日(融資当日)は住宅メーカーの営業担当者とともに、カギの受け渡しなど特別な日に立ち会う事が出来ます。
しかし、銀行員のメイン業務とはこれだけではありません。
お金を貸したら、回収するという業務があります。むしろ、こちらの方が割合としては多かった・・・
私が入行した年は、都市銀行が新卒採用を中止する程の不景気の真っただ中。
入行してからも景気はなかなか回復せず、毎朝、未回収者(返済が遅れているお客様)リストが上がってきました。
もちろん、何もしなくても返して頂けるという事はありません。
「忘れていました~!」なんてうっかりの場合を除き、お約束の日になっても、返済頂けないお客様は基本的に本当にお金が無いお客様になります。
そういったお客様に夜な夜な電話をかけ(日中はお仕事などでほぼいませんので・・・)、電話に出てもらえないときは訪問します。
しかも、この回収業務は支店の評価(ボーナス査定)に直結します。
この回収率が大きければ大きい程、ボーナスも多くなりますので各支店は躍起になって回収に努める訳です。
いつまでに、返済して頂けるのか。返済できない場合は、いくらなら返済出来るのかという事を細かく確認します。お給料日のたびに訪問し、直接お金を回収するという作業を、私の同期は1年目にしてやっていました。
これは本当に心が痛かったようです。
「こんな仕事をしたくて、銀行員になったんじゃないのに・・・」
良く言っていました。
私は総合職でも「女性だから」という理由で、この手の仕事は免除されていたのだと思います。
銀行はどこも点数評価です。
新規融資○○点、回収率○○点というように全て点数化されています。
その総合点が自分自身の評価になりますので、常に数字と戦うという意識が必要です。
また、景気がいい時は非常に喜ばれますが、ひとたび不景気になれば回収に転じて、堅実経営を守り抜きます。
「貸しはがし」という言葉はここから生まれてきた訳です。
「銀行に入りたい!」
いま日本は少しずつ景気が回復してきて、どちらかというと「お金を借りてください」という銀行が多いと思います。ですが、そのお金を回収するもの同じく銀行員の業務です。
是非、いい所・悪い所の両面を理解して、入行してください。
どうしても良い面ばかりに目がいってしまいがちなタイプですと、「こんなはずじゃなかった・・・」、「思っていたのと違った・・・」と思ってしまうかもしれません。
後になって、そう思うようなことにはなってほしくないですからね。
そうすれば、銀行の新卒早期退職率も改善されるかもしれませんし。
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